逃げずに夢見る。

Title
逃げずに夢見る。
Size / Art supplies
B3/イラストレーションボードにアクリル水彩
Production year
2006
Comment
この絵も、「跳ぶ野菜」が出てくるシリーズで頻繁に登場するクマのようなロドニーと跳ぶ野菜がメインの構成です。
でも、なぜかトモロウが金色!

たぶん、この絵がアクリル画としては最後の作品です。
アクリル画を辞めようと思った訳では有りませんが、結果的に最後になっています。
(正確には「ウメタロウとあさひやまどうぶつえん」の挿絵が最後)
なので、集大成的な作品であり、自分でも気に入っています。
いろいろと試行錯誤の上行き着いたのが、青い空、白い雲、水辺、緑に囲まれたロケーション、漆喰で固めたような白い建物、原色のドア、茶色い床のタイル、絵の周りを囲む植物、絵本の1ページのような構成、くろねこのトモロウ、ロドニー、跳ぶ野菜...。
はじめは怖かった。

なんにも描かれていない
真っ白な一枚の紙。

ヨーロッパの風景の写真を見ながら
その好きな要素を頭の中で切り取って
鉛筆で紙に写す。

写しては消し、繰り返す。

デッサンが上手ではないので
下書きが出来上がる頃には
紙は汚れて灰色に。

それから、色を乗っけるが
一色塗っただけでは
まだ、絵にはならない。

空でも、窓でも、壁でもない
単なる紙に描かれた模様。

果てしない作業に思えて
不安になる。

この模様が、空に見えるのか?
窓に見えるのか?壁に見えるのか?

始めの頃は、お金がなかった。
だから買える絵の具も少ない。
少ない絵の具と、心もとない技術で
自分なりに表現しようと努力した。

想像したような表現が出来なくて
悔しくなる。
泣きたくもなる。
そのまま紙を破りたくなるが
一旦我慢。

そんな時は、その日はやめて寝る。

次の日、心を落ちつかせると
それなりに上手く描けるものだ。

一色一色重ねていき、空になり
窓になり、壁になる。
ホッとして詰めが甘くなる。

完成を喜び寝る。

次の日には詰めの甘さが見えてくる。
あんまり描き直しはしない。

失敗を悔やみ、次の絵こそは...。
と思い、絵を描き続ける。

技術的に向上したら、
次はモチーフを変えてみる。

その次はもう少し絵の具を買って
表現の幅を広げて、その次はキャラクター。
ストーリー性を持たせてみたり、連作にしたり。

悩んだ時には、今まで積み重ねた物を
排除して、いっそうシンプルに。

あるいは自分の昔の絵をまねしてみる。

なんせ、一枚に早くても一週間かかるので
一歩一歩が非常に遅い。

で、10年掛かって
ようやく自分の世界が見えてきた。

自分の表現したいものが
描ける様になってきた。

ま、人がその絵を良いと思うかどうかは
別だけれどもね。

あんまり気にしないし。

だから、時間が掛かったけど
これからだ!
って気がする。
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このページは、2010年5月17日 17:31に書いた記事です。

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